「迷える羊」

「ねえ 生まれてきた日を 思い出せるかい」で

連想されるのは三島由紀夫の「仮面の告白

確か自分の浸かった産湯の入った盥を見たとか覚えてるとかだったか

(今なら生まれたての赤子の目が見えるんかい、と突っ込むところだが)

 

「楽屋には サンタマリアがいない」のは

紺碧の仙人掌が未だ咲かないからか。

 

「最初で最後の歌を 上手く歌えないのに」

最初で最後の歌って何だろう。

産声か?生まれてすぐに泣かなかったとか?

 

「背骨をなくした 大きな機械が

美しく 都市を跨いでいく

舞台は崩れ 照明が落ちる

観客は 白い眼」

 

このあたり、今回のツアーの中止を思わせる

それでも

 

「堪うる限りに 歌を歌おう」

 

と言ってくれるならそれで自分は満足だ。

 

この物語を何処まで見届けられるかは分からないが。