雑煮

年々正月に食う餅の数が減っていく。

息子に至っては元々焼いた餅の方が好きだと

お義理に一個しか食べない。

(代わりに後で砂糖醤油で食ってたりするが)

 

まあ確かにうちの雑煮はあまり愛想がない。

醤油味のつゆに具は大根と人参だけ。

それでも昔は三つ葉もはいってたんだが

ほんの少しのために一束買って、残りを枯らせてしまうのがもったいなくて

いつの間にかやめてしまったなあ。

 

子供の頃は正月の朝まず雑煮の餅は何個要るのかを聞かれた。

大人の男達はそれこそ10とか12とか今にして思えばよく食ってたな。

あと、うちの場合、あんこか白か(餅)、と言う選択肢があった。

大人になってよその雑煮はうちとは違うと知ったときは結構ショックだった。

 

あんこ餅の入る雑煮はたまに聞くが、大抵は白味噌のつゆとセットなのが多い。

うちみたいに醤油味のつゆにあんこ餅と言うのはあまり聞かない。

ものすごく狭い地域での風習なのかと思っていたが

大人になって色々聞いてみた結果、我が家限定だった。

要は祖父さんが甘いもの好きで(酒も好きだったが)

あんこ餅が好物だっただけ、という・・・

 

醤油味のつゆの入った鍋の底に沈むあんこ、と言う我が家の正月恒例の風景は

爺の我儘の賜だった訳か。

まあ、そんなに不味くはなかったのが救いではある。