後始末
もう長いこと実家に帰っていない。
親も皆鬼籍に入って空き家になって久しく
住む人の居ない家はみるみるうちに傷んでいく。
どうにかしなきゃいけないのは解って居るが
どうにも出来ずにいる。
うちの親はとにかく捨てられない人で
ありとあらゆるものがとってある。
ひどいのは段ボールの中に少し小さい箱
その中にもう少し小さい箱
さらにその中にもう少し小さい箱
この繰り返しで、最後の箱には包み紙と紐が入っているという
見事なマトリョーシカ。
倉庫などは電化製品の墓場と化している。
一つ買ったら一つ捨てればいいのに
未だ使えるとなれば捨てられない。
使えなくとも捨てられない。
最近ものを買おうとすると、頭も中で声がする。
「死んだらゴミ」という。
おかげで本がなかなか買えなくなってしまった。