あたしのために生きて
この言葉をそのままの意味にとるならば、
「あなたの全ての時間をあたしのために使え」
なんだと思っていた。
随分我儘な女だと。
ある晩寝る前に「シンデレラグレイ」聴いてて
これって、大事なのは「生きて」の方なんじゃ無いかと思いついてしまった。
辛くても苦しくても、あなたがいないと悲しいあたしのために「生きて」なんだと。
なのに言えなかった結果、あなたはもう「生きて」はいないのだ。
だからみんな優しさとか慰めとかくれようとするんだし、
あたしはいつまでも「グレイ=喪の色」に沈んだままなのだ。
「痛む心 癒えないのは」
「悼む心 言えないのは」
12時は魔法の終わり。命の終わり。
永遠の誓いだって「死が二人を分かつまで」だって言うのに
これじゃあ「死が二人を分かつとも」じゃないか。
ごめんよシンデレラ、我儘だなんて。
あんた健気な良い子だったんだなあ。
そんなことを考えながら寝落ちした翌朝。
目を開いた瞬間冷たさに驚く。
そうか、仰向けのまま寝ながら泣くと眼窩に涙が溜まってこういう羽目にあうのか。
この年になって初めて知った。
そして案外良い自分の寝相にもびっくりだ。
最近、「Lemon」のあのハイヒールはもしかしたら、
ガラスの靴の代わりなんじゃ無いか、なんて思ってみたりもする。